街中を走るレトロな車と、そこから降り立つ男性の姿があまりにも輝いて見える。一方でバルコニーからそれを見つめる主人公の表情が痛々しい。引き摺り込まれるシーンでの無力さと、口から血を流す最後のカットが強烈で、物語の暗い予感しかしない。
赤い封筒を渡されるシーンから、彼女が何か重大な契約をさせられたことが分かる。跪かされる姿があまりにも可哀想で、隣にいる緑の服の女性の冷たい視線も怖い。籠の中の花嫁は羽ばたくというテーマが、物理的にも精神的にも彼女を縛り付けているようだ。
照明が落とされた部屋での儀式のようなシーンは、美しさと恐怖が同居している。蝋燭の揺らぎと主人公の震える目が印象的。しかし、外の世界では祝賀ムードがあり、その対比が彼女の孤独を際立たせている。このギャップがたまらない。
バルコニーの手すりにしがみつき、下を覗き込む彼女の姿が全てを物語っている。助けを求めようにも声が出せない、あるいは出しても届かないという絶望感が画面から溢れ出ている。籠の中の花嫁は羽ばたくというタイトルが、逆に皮肉に聞こえるほどだ。
車から降りてきた白い服の男性は、一見優雅に見えるが、彼がこの悲劇の黒幕なのかもしれない。無表情で周囲を見渡す姿に、冷徹な意志を感じる。彼と主人公がどう関わっていくのか、そして彼女がどう抗うのか、続きが気になって仕方がない。