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きらきら星25

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偽りの愛と真実の選択

瀬川朗は亡き娘・安奈の代わりに若葉を娘にしようとするが、安奈を忘れられずに激怒し、若葉とその母を家から追い出そうとする。一方、若葉の母は朗の愛が偽物だと断言し、若葉を連れ去ろうとするが、誤解から騒動に発展する。朗は安奈の死を乗り越えて、若葉と向き合えるのか?
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本話のレビュー

父親の絶望が痛い

スーツ姿で荷物を放り出すシーンから、一年後にボロボロの姿で子供たちを探す姿へ。この落差があまりにも残酷で、見ていて苦しくなる。特に娘を捕まえても無視される瞬間、父親としての尊厳が完全に砕け散っているのが伝わってきた。きらきら星は、失ってから気づく愛の重さを、台詞ではなく演技だけでこれほど表現できるのか。ネットショートで見れて本当に良かった。

母親の覚悟と変化

最初は泣き崩れていた母親が、一年後には輝くような衣装で現れ、元夫を突き放す姿に痺れた。ただの意地悪ではなく、子供を守るための強さが滲み出ている。学校での騒動で彼女が叫ぶ瞬間、過去の屈辱と現在の守るべきものが交錯しているのが分かる。きらきら星というタイトルが、皮肉にも彼女たちの輝きと闇を象徴しているようで深い。

子供の無邪気さが残酷

父親が必死に話しかけても、子供たちが全く覚えていない、あるいは無視するシーンが最も胸が痛む。一年という時間は大人にとって長くても、子供にとっては全てをリセットするに十分な時間なのだと痛感した。きらきら星は、親子の絆が時間によってどう変容するかを問うているようで、考えさせられる展開だった。母親の守り方も徹底していて見事。

演出のキレがすごい

部屋から追い出される時のドアの閉まり方と、一年後の学校の賑わいの対比が素晴らしい。静かな絶望から喧騒の中の絶望へ、場所が変わっても父親の孤独は変わらないという演出が効いている。きらきら星という作品は、短編でありながら長編映画のような密度と情感を持っている。ネットショートのクオリティの高さに毎回驚かされるが、今回は特に感情移入が止まらなかった。

復讐の味は甘くない

母親が元夫を見返すために美しく変貌した姿は痛快だが、その背景にある苦労を思うと複雑な気分になる。学校で元夫が倒れた瞬間、彼女が見せた動揺は本物だったのか、それとも演技なのか。きらきら星は、勝者と敗者が入れ替わる瞬間をこれほど鮮やかに描く。観ているこちらも、単純に喜べない深い余韻が残る傑作だと思う。

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