死んだはずの私が蘇る瞬間、背筋が凍りました。執刀医の冷徹な表情と、遺体安置室で繰り広げられる愛憎劇の対比が鮮烈です。悲しみに暮れる女性と、彼女を慰める男性の距離感が絶妙で、二人の間に流れる複雑な感情が画面越しに伝わってきます。
赤いドレスを着た彼女が目を覚ました時、その瞳には生への執着よりも深い絶望が宿っていました。傷跡を確かめる手つきが痛々しく、自傷行為に及ぶシーンは見るに堪えません。死んだはずの私というタイトルが示す通り、生き返ることが救いではなく呪いであるような重厚な演出に鳥肌が立ちました。
安置室のドアを閉めた瞬間から始まる二人の濃厚なキスシーン。悲しみを共有するはずが、いつしか情熱的な愛に変わっていく様子がゾクゾクします。壁に押し付けられる構図や、男性の額に貼られた絆創膏が物語の深さを暗示しており、死んだはずの私の世界観がここで一気に広がります。
一人で目覚めた彼女が、自分の体に刻まれた縫合痕を見てパニックになる様子がリアルすぎます。メスを持って自分の腕を切りつけるシーンは、精神的な崩壊を視覚的に表現しており、死んだはずの私という設定が単なるファンタジーではなく、ホラー要素を含んでいることを痛感させられました。
白衣ではなくスーツ姿で執刀する男性の異様さが印象的です。遺体を前にしながらも、外で待つ女性に対して見せる表情の変化が巧みで、彼が単なる医者ではないことを予感させます。死んだはずの私において、彼がどのような役割を担っているのか、その謎解きが楽しみでなりません。